砥石の豆知識 「第2章」
切断の種類
物を切ることを「切断」と言いますよね。しかし、「切断」と一言で言っても切り方や使う道具は多種多様です。
自分の身の回りのものを見てみましょう。「切断」の道具が何か目に入りませんか?
最も私たちの身近に感じるものと言えば、ハサミやナイフといった刃物やノコギリなどの機械的なものです。
しかし、「切断」の種類はそれだけではありません。
ガス切断に代表される熱エネルギーを利用したもの、レーザーなどの電気・光・電磁波などのエネルギーを利用したものなど、
近年の技術開発の発展とともに切断作業も進化してきました。
【切断の種類】
エネルギー |
用途 |
機械 |
せん断(ナイフ・丸刃などプレスによる切断) |
熱 |
ガス切断(プラズマ切断・アーク切断) |
光 |
レーザー切断(電子ビーム切断) |
電気 |
ワイヤカット放電加工 |
高圧流体 |
ウォータージェット切断 |
音波 |
超音波切断 |
砥粒による切断は「切削」とも言われ、砥粒の一つ一つが刃となり、表面を削ることで切り進みます。
なんだか思ったよりも、いろいろなエネルギーを使って物を切る作業をしていると思いませんか?
代表的な「切断」だけでもこんなに種類があるんです。
これらの技術の発展が、現在の"ものづくり"を支えています。
切断砥石の特徴
切断砥石はなぜ物を切ることができるのでしょう。
切断砥石は、「砥粒」、「結合剤」、「気孔」の3要素で構成されています。
この3要素が揃うことで、切断砥石は物を切るための道具になるのです。
砥粒 |
物を削る刃物に相当します。砥粒一粒一粒が刃物になって、工作物を削ります。 |
結合剤 |
砥粒と砥粒を結び付けているものです。 |
気孔 |
切屑を取り除くために必要な隙間です。 |
切断砥石を 高速回転させることにより、無数の鋭い砥粒が刃先となって迅速に工作物を削り、美しい仕上げ面と正しい寸法に切断することができます。
砥粒が磨耗すると共に新しい切刃を生じ、それがだめになると脱落し、次の新しい砥粒が生じます。
(この現象を「自生作用」と言います。)
そのため、切断砥石は作業を同じ状態で続けることができるのです。(下図参照)