砥石の豆知識 「第2章」

作成日:2023-01-04 15:11

切断の種類

物を切ることを「切断」と言いますよね。しかし、「切断」と一言で言っても切り方や使う道具は多種多様です。

 

自分の身の回りのものを見てみましょう。「切断」の道具が何か目に入りませんか?
最も私たちの身近に感じるものと言えば、ハサミやナイフといった刃物やノコギリなどの機械的なものです。
しかし、「切断」の種類はそれだけではありません。

ガス切断に代表される熱エネルギーを利用したもの、レーザーなどの電気・光・電磁波などのエネルギーを利用したものなど、

近年の技術開発の発展とともに切断作業も進化してきました。

【切断の種類】

エネルギー

用途

機械

せん断(ナイフ・丸刃などプレスによる切断)
刃物による切断(のこ引き・バイトによる切断)
砥粒による切断(回転機に取り付けての回転刃)

ガス切断(プラズマ切断・アーク切断)

レーザー切断(電子ビーム切断)

電気

ワイヤカット放電加工

高圧流体

ウォータージェット切断

音波

超音波切断

 

砥粒による切断は「切削」とも言われ、砥粒の一つ一つが刃となり、表面を削ることで切り進みます。

なんだか思ったよりも、いろいろなエネルギーを使って物を切る作業をしていると思いませんか?

代表的な「切断」だけでもこんなに種類があるんです。

これらの技術の発展が、現在の"ものづくり"を支えています。

切断砥石の特徴

切断砥石はなぜ物を切ることができるのでしょう。

切断砥石は、「砥粒」、「結合剤」、「気孔」の3要素で構成されています。

この3要素が揃うことで、切断砥石は物を切るための道具になるのです。

砥粒

物を削る刃物に相当します。砥粒一粒一粒が刃物になって、工作物を削ります。

結合剤

砥粒と砥粒を結び付けているものです。

気孔

切屑を取り除くために必要な隙間です。
この気孔に切屑が入り、砥石が回転している間に排出されます。

 

切断砥石を 高速回転させることにより、無数の鋭い砥粒が刃先となって迅速に工作物を削り、美しい仕上げ面と正しい寸法に切断することができます。

砥粒が磨耗すると共に新しい切刃を生じ、それがだめになると脱落し、次の新しい砥粒が生じます。

(この現象を「自生作用」と言います。)
そのため、切断砥石は作業を同じ状態で続けることができるのです。(下図参照)